田瀬法律事務所の日記

2014年5月20日 火曜日

ASKAの逮捕とチャゲアスのCD・映像ソフトの出荷停止

昭和の終盤から平成の始め頃にかけて国内で大人気を博したCHAGE and ASKAのうちのASKAこと宮崎 重明容疑者が、覚せい剤所持の疑いで警察に逮捕され、そのニュースは大きな衝撃を持って迎えられ、未だに多くの時間が報道に費やされています。
チャゲアスの全盛時は、ちょうど当方の「我慢の時期」と重なります。
と言うのは、当方は昭和の終わり頃に司法試験の勉強を始め、名曲「SAY YES」や「YAH YAH YAH」などは、受験勉強をしていた当時、毎日テレビ、ラジオや街角で流れていた曲で、その当時買ったカセットテープ(当時はまだCDになっていなかった)もまだ手元にあります。
宮崎容疑者は一緒に逮捕された女性と同様に逮捕容疑を否認しているとの報道ですが、尿から覚せい剤反応が出ている以上、これ以上否認を続けることは後の公判で裁判官の心証が極めて悪くなり、最悪の場合は「反省の色無し」と判断されて実刑判決を受ける可能性さえあります。
おそらく正式に付くであろう(もう付いているかもしれませんが)弁護人が宮崎容疑者を説得して容疑を認めることになると思いますが、当方がこのようなニュースでいつも思うのは、歌手や俳優などが不祥事で逮捕された場合、CDや映像ソフトが出荷停止になることです。
チャゲアスの全盛期は昭和の終わりから平成6,7年頃ですので、それは今10代後半から20歳前後の若い人が生まれる前です。
宮崎容疑者の逮捕で、ニュースのBGMとしてSAY YESやYAH YAH YAHなどが連日テレビから流れてきており、20歳前後の若い人の中には、これらの名曲は親世代の人たちが熱狂した曲であることは知識としては知ってはいたものの、改めて聞いてみて興味を持つ人も相当いると思います。
それゆえ、CDショップに買いに行ってみようと考える若い人も多いと思います。
しかし、このような形でCDや映像ソフトが売れると、直ぐに便乗商法との指摘がなされるため、CDや映像ソフトの販売業者は出荷停止にして、一定期間販売ルートから外すようになりました。
このような措置がいつから行われるようになったのかは定かではありませんが、当方が20代くらいの頃はなかったと思います。
例え歌手や俳優が不祥事を犯していても、名曲は名曲であり、名演技は名演技であることは紛れもない事実なので、一律にCDや映像ソフトを出荷停止にすることはおかしいと思います。
今日の朝の情報番組で、そのような場合は出荷停止にせず、但し歌手や俳優に入る著作権料を震災などの災害被災者に渡す交付金としてプールするべきだという意見を言う人がおり、聞いていてなかなかの卓見だと思いましたが、その場合、著作権を持つ歌手や俳優の許可を得ないでそのような勝手なことをすると、後々金銭トラブルに発展する可能性もあります。
臭い物に蓋的な形式的な出荷停止という措置を取らず、良い物は良い物として作品は市場から放逐しない何らかの方策を、音楽業界、映画(テレビ)業界はもう少し真剣に考える必要があると思います。

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2014年5月16日 金曜日

司法界は変態の巣窟ですか?

先日、ニュースで神戸市で司法修習生が電車内で盗撮をして警察に逮捕されたことが報じられていました。
以前の事務所日記でも書いたのですが、一昨年は大阪地裁の裁判官(判事補)が盗撮をして弾劾裁判にかけられ罷免(失職)され、今年の4月には、裁判官出身の法務省のエリート官僚が法務省内の女子トイレにカメラを仕込む形での盗撮を試みて、これが発覚して逮捕こそ免れましたが、50万円の罰金刑の言い渡しを受け、即日懲戒免職となりました(当然氏名も報道されました)。
そして、司法試験に合格し卒業試験に合格すると晴れて法曹となる資格を持つ司法修習生がこのザマです。
一般の世界に比べて厳しい規律を求められる法曹界で短期間で3人が、人として恥ずべき行いをしたことに対し、同じ法曹界に身を置く者として誠に恥ずかしい限りです。
今回盗撮をして逮捕された司法修習生は、身分上は最高裁判所に属しているので、最高裁判所から100%罷免という処分を受けて失職するはずです。
一般論ですが、美しい女性や自分のタイプの女性を見て、性的な気持ちに駆られること自体は否定しません。
もちろん、自分を見ている男性がそのような思いに駆られていることを当の女性が知れば、殆どの女性は気分を害することも事実です。
但し、心の中で何をどう思おうが自由ですので、頭の中で性的な妄想を抱こうが、それ自体は道徳的に非難されることはあっても、犯罪にはなりません。
しかし、欲望をどんな態様であれ、それを形にしてしまったら、当然大きな社会的な非難を受けます。
盗みも同じで、これは物欲が形になって他人に迷惑をかけた例です。
犯罪は、欲望、感情が形となって他人に迷惑、害悪を及ぼす場合で、感情をコントロールできないことが出発点です。
我々は欲望、感情をコントロール出来ず、それを表に出して犯罪を置かしたことを「規範に直面し、それを乗り越えた」と表現します。
規範とは、言うまでもなく我々が生活している社会で守るべきルールのことです。
人の物を奪ってはいけない、他人に暴力を振るって傷つけてはいけない、猥褻なことをしてはいけない、など数多くの規範が世の中に存在します。
そして、我々は物心がついたころから、自然にこの規範を学習して成長します。
法曹界に生きる者であれば、規範の遵守は一般人以上に厳しく求められており、彼らはそれを知っていたはずで、もし、規範を乗り越えて犯罪を犯した場合、それがどのような形で自身の身に返って来るかもわかっていたはずです。
自分自身の将来を棒に振り、家族を悲嘆のどん底に陥れるほど、歪んだ欲望の方が勝ったのでしょうか。
今はとても暗澹たる気持ちで一杯です。

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2014年5月14日 水曜日

企業再建における弁護士需要と供給のミスマッチ

先日、親しくお付き合いしているベンチャー企業の社長から緊急の相談がありました。
それは次のような内容です。
その社長が懇意にしている女性社長の会社が資金繰りに困った挙句、悪徳コンサルに騙されてしまったとのことです。
悪徳コンサルは、いかにもスポンサーを探すように振る舞って、女性社長から金を引っ張り、最終的には見捨てました。
そこで、何とか救う方策がないものだろうかという相談が当方のもとに入ったのでした。
当方とベンチャー企業の社長は、双方が親しくしている良質のコンサルタントに財務的な診断を依頼し、当方も法的な問題が発生した場合は、いつでも出られるよう準備することになりました。
幸い、良質のコンサルタントの診断で、最後のタネ銭とも言うべき良質の債権があったので、それを有効活用することで最悪の事態は免れることができたとのことで、当面、当方が前面に出る場面は遠のいたようです(今後は法的問題が発生した場合の側面支援がメインになると思います)。
その女性社長は大変ガッツがあって有能な方で、攻めにはめっぽう強いものの、会社が傾きだした場合のノウハウ、つまり守りの場面では脆い方でした。
今回は、女性社長が当方と親しいベンチャー企業の社長に相談し、そこから会社再建の道が開けましたが、おそらく中小、零細の企業経営者で、その女性社長と同じような状況にいる方は山のようにいると思います。
しかし、弁護士、良質なコンサルタントへのアクセスがなく、会社を倒産させ、最悪自ら命を絶つか、判断力を無くした状態で悪徳コンサルに付け込まれて餌食となってしまうケースが、残念ながら圧倒的に多いと思います。
企業経営者から会社再建の相談を受けた場合、弁護士が単独でできることは限られており、弁護士と良質な経営コンサルタント、税理士などがチームを組んで事に当たることができれば、かなりの数の中小、零細企業を救うことができると思います。
弁護士が依頼を受ける案件の代表的なものとしては離婚を含む男女問題、金銭トラブル、交通事故、不動産トラブルなどが挙げられ、これらの問題については、事案が非常に入り組んでいて弁護士が一人では対応できないような例外的な場合を除いて、基本的に弁護士が一人で対応できます。
しかし中小、零細企業の再建は、弁護士単独ではなかなか難しく、良質な経営コンサルタントの存在が不可欠です。
当方も従前からそのようなチームを作って少しでも困っている中小、零細企業のお役に立てればと思っております。
なぜなら、日本の経済基盤を支えるのは大企業ではなく、膨大な数の中小、零細企業であるからです。
アベノミクスの恩典が中小、零細企業に及んで初めて日本の景気が安定的に回復したと言ってよいと思います。

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2014年4月28日 月曜日

司法試験残酷物語

今日はGWの合間の平日で、今日は通常どおり仕事をしておりますが、事務所は明日29日から9日間のGW休みに入ります。
当方が司法試験の受験生だったころは、GWは司法試験のマークシート型の試験(択一試験)が連休明けに控えており、まともにGWを楽しんだ経験はありません。
ちょうど5月の第2週が択一試験に当たっており、その日は「母の日」です。
司法試験に合格する以前は母の日と聞くと、ゾッとするような気持ちになったものです。
司法試験は当方が合格してから劇的に変化し、当方の受検していた時代とは全く異なるものになってしまいましたので、司法試験という存在は、ここ10年くらい当方の頭から消えかけていました。
ところが、つい数日前、新聞の読者投稿欄に司法試験受験生からの投稿が掲載されており、それを読んで重い気分になりました。
当方が合格した旧司法試験はまさに一発勝負の試験で何回でも受けることが出来ました。
当方もその恩典に救ってもらった形で8回目の挑戦で合格しました。
まさに七転び八起きという訳です。
ところが、現在は大学を卒業してから法科大学院を卒業(法学部出身者で2年、それ以外は3年)しないと、原則的に司法試験の受験資格を与えらず、法科大学院を卒業してから5年間に3回しか司法試験を受けられません。
もし5年以内に3回不合格になると、以後司法試験を受けることは出来ず、それは「三振」と呼ばれています。
もし、当方が今の時代に司法試験を受けていたなら、ひょっとして三振していたのかと思うと、冗談ではなく冷や汗ものです。
現行の司法試験がこのように受験回数を制限していること以上に受験生に大きな負担を強いていることがあります。
それは法科大学院の学費の問題です(新聞の投稿もこの問題を強調しておりました)。
法科大学院は国立のもので授業料が80万円から100万円、私立で100万円から250万円で、授業のスケジュールがきつく、殆どの法科大学院生はアルバイトする時間がなく、その結果、実家から援助を受ける法科大学院生もいる一方で、奨学金を借りて法科大学院に通っている学生が主流と言われています。
現在、弁護士業界では司法修習生の就職難が常態化しており、司法試験に合格後司法修習が終了しても法律事務所に就職できないケースも珍しくありません。
ただ、弁護士資格があるわけですから、それさえあれば、後は本人の努力と研鑽で弁護士としての道を歩んで行くこと自体は可能です。
ところが、3年法科大学院に通って卒業後直ぐに合格できず、卒業後三振して受験資格を喪失してしまった場合、1000万円を超える奨学金の債務を抱えた状態で、社会の荒波の中に乗り出さざるを得ないことになり、これは三振した本人にとっても、社会にとっても大変な損失だと思います。
政府は三振制度について、5回までは受験できるほうな方向で法改正をする所存のようですが、そろそろ司法試験制度そのものの抜本的は改革が必要な時期を迎えているような気がします。

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2014年4月24日 木曜日

安倍総理とオバマ大統領とのすし外交の舞台

昨日(4月23日)夕刻来日したアメリカのオバマ大統領が、羽田空港から銀座の高級寿司店に直行し、そこで安倍総理と夕食を一緒に食べるというニュースを聞きました。
警備の関係から、事前にどの寿司店に行くかは報道されませんでしたが、国賓クラスのVIPと我が国の総理が食事をする銀座の高級寿司店と言えば2店しかありません。
それは、すきやばし次郎と銀座久兵衛です。
ともに、飲食代が最低でも3万円近くする店で、そうそう一般人が行ける店ではありません。
夜のニュースを観たら、すきやばし次郎で両首脳が食事をされたことが分かりました。
ニュースではオバマ大統領の意向かどうかはともかく、アメリカ側の意向ですきやばし次郎になったと報じておりましたが、おそらく警備の都合でそうなったのだと思います。
すきやばし次郎は銀座の大通りが交差する数寄屋橋交差点から少し離れたビルの地下にある店であるのに対し、久兵衛は銀座の高級クラブが立ち並ぶ細い道沿いにあり、警備しづらい場所と言ってよいと思います。
我が国の警備当局はVIPが街中に出る場合、万が一の場合を常に想定しますので、そうなるとすきやばし次郎が選ばれることはある意味で当然だったと思います。
すきやばし次郎は、ミシュランで連続3つ星を取ったことで一躍全国的に有名になった店ですが、その遙か以前から知る人ぞ知るという、食通の間では非常に有名な店だったようです。
そして、今から20年近く前、当方の実家(札幌)に住んでいた父が東京に用事で来た際、知人と行ったことがあり、当方は父からその当時の感想を聞いたことがあります。
普通、寿司店のカウンターに座ると、好きなネタを注文しますが、この店では約20個のおまかせコースのみで、全員それを頼まなくてはいけません。
そのコースが終了したら、追加で好みのネタを注文したり、酒を飲みたい人は刺身ネタを注文することができますが、まずはおまかせコースの握りが次から次に出されます。
父はあまりの早さに違和感を感じたと言いました。
その日は平日で、客は少なかったそうですが、父も一緒に行った知人も酒を飲まないこともあり、また追加注文もしなかったため、食事は30分くらいで終了したそうです。
今はそのおまかせコースは3万円ですが、20年前は2万数千円だったそうで、父はかなり不満だったようです。
当方は数年前、この店がミシュランで3つ星を取って話題になった頃、A級グルメを自称する先輩弁護士とすきやばし次郎に行ったことがあります。
値段は父が行った当時から少し上がって3万円で、少しお酒を頼んで、追加で2,3切れ刺身を切ってもらって7万円ちょっとでした(当然グルメを自称する先輩弁護士のオゴリでしたが)。
2人で3合くらいの酒を飲んでも、時間は1時間かかりませんでした。
確かに美味しいとは思いますが、いかんせん目の前に出されたネタを次から次と口に放り込まないと、目の前がネタで一杯になってしまいます。
もちろん、店主(あの有名な小野次郎さん)は何も言いませんが、早く口に入れろという空気をやんわりと出しており、父が言っていたとおり違和感を感じました。
銀座のすきやばし次郎に行ったことは、話のネタとしては使えますが、今でも自腹では行こうとは思えません。
寿司店は、酒を飲みつつ、好みの刺身を食べ、最後に締めで好みの握りを数個口にいれるという形でずっと使っている当方にとって、日米両首脳の外交の舞台となった超高級寿司店は、いささか使い勝手が悪い店だったようです。

投稿者 田瀬英敏法律事務所(恵比寿の弁護士) | 記事URL

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