田瀬法律事務所の日記

2014年2月27日 木曜日

幼児虐待防止の劇薬

今朝の情報番組で、父親が3歳児の首に犬の首輪をつけて自宅に監禁したとして逮捕された事件の解説をしていました。
数日前は同じく父親が生後数ヶ月の女児の顔に熱湯をかけて逮捕されたニュースが報じられました。
児童虐待は、今では日常茶飯事で、虐待によって児童、幼児が死亡する事例も珍しくありません。
暴力で児童・幼児を虐待する事例は父親ないし内縁の夫によって引き起こされるケースが圧倒的に多いのですが、いわゆる育児ネグレクトは母親によって引き起こされるケースが多いのが実情です。
数年前、関西地方で飲食店に勤務する若い女性が我が子である2人の幼児をマンションの室内に置き去りにしたまま、長期間帰宅しないでホストクラブなどで遊び続け、幼児は猛暑の中で餓死(ないし熱中症死)した事件をご記憶の方のおられると思います。
その母親は殺人罪に問われ20年近い懲役刑を受けました。
止みそうもない児童・幼児虐待を防止するため、民法、児童福祉法も改正され、これまで殆ど運用されてこなかった親権喪失という制度も運用されやすい形になりました。
我が子をペットのように扱ったり、生後間もない幼児(しかも女児)の顔に熱湯をかける行為は、それ1発でレッドカード(親権喪失)ものだと思います。
今後、改正された民法、児童福祉法がどう運用されるか注目して行きたいと思いますが、当方は悲惨な児童・幼児虐待から子供を守る劇薬があると思います。
弁護士が言うにはあまりに乱暴な議論で、エリート主義的思考とのお叱りを受けるかもしれませんが、敢えて述べようと思います。
マスコミ報道で児童・幼児虐待をする親(それも父親)はステレオタイプに言うなら、「無職」か良くて「フリーター、派遣社員」です。
そして身なり、顔付きもいわゆる「そこら辺のあんちゃん」タイプで、彼らは当然生活するのに手一杯だと思います。
勿論、経済的にゆとりのない家庭でも、親がきちんとまともな考えをもっていたなら、多くの子はまともに育ちます。
しかし、経済的にゆとりがない家庭で、親自身が未成熟な場合は子供は悲惨としか言いようがありません。
よくて、一生貧困な生活を送るか、悪い場合は親に虐待され、命を落とすか、落とさないまでも非常に捻くれた子になり、それはその子が親になった場合、自分の子にも連鎖し、最悪な連鎖が世代を通して続きます。
そのような最悪の世代的連鎖を断ち切るためには、特別養子制度を手直しして、親権を喪失されるような親を持つ子は、生活にゆとりがあってそれなりの社会的地位にある養親のもとで生育できるようにすることです。
現在は結婚する年齢(初婚年齢)も上がり、男性、女性ともに(特に女性は)それなりに社会的地位がある場合は晩婚化することから、結婚後、子供を持てないケースが多いと思います。
高校時代の同級生の産婦人科医によると、不妊治療をする夫婦が年々増加の傾向にあるそうです。
貧困下で親に虐待されて育つより、経済的にゆとりのある養親のもとで、愛情に育まれながら育つことの方が子供にとって遙かに有益だと思います。
当方は、幸いにして、両親から溢れんばかりの愛情を注がれて育つことができました。
そのような自分の幼き頃の境遇を思うと、日本中の多くの幼い子供達に幸多かれと祈らずにはいられません。

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2014年2月25日 火曜日

昭和のラーメン

先日、中性脂肪の数値がなかなか下がらないので、主治医から歩く距離を多めに取るよう指示されました。
当方は自宅と事務所が徒歩15分程度の距離なので、毎朝15分早く家を出て30分歩くよう主治医から指示を受けました。
雨の日、裁判所に自宅から直行する日で資料をカバンに多く詰めている日を除き、なるべくそのことを実践しています。
少しずつ事務所に向かうルートを変えるなどしていますが、食いしん坊の当方は、飲食店がいつも気になっており、興味を引く飲食店の前を通る際は、いつかこの店に行こうという気を起こしてしまいます。
そんな中で、駅から徒歩10数分という場所にあるラーメン店が気になっておりました。
それほど仰々しい看板を掲げているわけでなく、看板には「開業昭和35年」という書き込みがあり、看板に書かれているメニューもいわゆる昭和のラーメン店(中華料理店)ぽいものでした。
当方の事務所がある恵比寿はラーメン激戦区の一つですが、メインは豚骨系のラーメンです。
つい最近も駅のすぐ近くに二朗系の背脂ラーメンの店がオープンしたばかりです。
当方は30代まではそれこそこってり系が超大好きで、毎日食べても飽きないほどでした。
しかし40代になってからは、時々こってりしたラーメンを食べたくなることはありますが、連日は通うのは無理になりました。
今当方が好きなラーメンはあっさり系の醤油味のいわゆる昭和のラーメンです。
そうなったのには伏線があります。
当方の母は高齢になってからラーメンに目覚めるという不思議な体験をしています。
母はそれまではラーメンはどちらかと言うと嫌いな食べ物でした。
ところが、ここ数年2ヶ月に一度通っている病院の食堂で食べたラーメンにすっかり魅了されてしまい、2ヶ月に一度の病院行きが今では母の大きな楽しみの一つになっているのです。
母があまりにも勧めるので、当方もその病院の食堂のラーメンを食べてみました。
入っている具材といい、スープの味といい、確かに昭和の味がしました。
その病院の入院患者、通院患者は高齢者が多いため、そのような高齢者にとっては、青春時代の味がするラーメンで、そこが受け容れられた原因ではないかと思いました。
ただ、当方にはややパンチが足りなく感じました。
そんな思いをしている中で、今日そのラーメン店に行ってきました。
まさに昭和の味そのもの、当方が今追い求めているラーメンでまさしくど真ん中のストライクでした。
半分くらい食べ終えた時、テレビで見慣れた顔の男性が入ってきました。
お笑い芸人Tでした。
お店の人と親しげに話していたので、おそらく常連なのでしょう。
事務所に帰ってインターネットでその店を検索したところ、以前は原宿にあった老舗店で有名店であることがわかりました。
駅から遠いのが難点ですが、これからも時々行ってみようと思います。

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2014年2月21日 金曜日

真央ちゃんの涙

ソチオリンピックもいよいよ大詰めが近づいていますが、後半の種目で全国民の注目を集めたのは女子フィギュアスケートでした。
その中でも、国民的アイドルアスリートとも言ってよい浅田真央選手が前回のバンクーバーオリンピックのリベンジを果たすことができるかが、最大の注目でした。
当方も初日のショートプログラムは眠たい目を擦りながら観ておりましたが、最初のトリプルアクセルで転倒すると、その後は真央ちゃんらしくないミスを重ね、何とフリーで16位という信じられない結果に終わり、点数が表示された瞬間は、全国に悲鳴と落胆が渦巻いたことだと思います。
上位3人の成績と余りにも大きな開きがあったことから、その瞬間金メダルはもちろんのこと、メダルの可能性も消滅したと感じた国民は多かったと思います。
真央ちゃんのショートが終わって、そのまま起きていて事務所に出勤した当方は、事務局の女性に「フリーでどんなに頑張ってもメダルは取れないから、今日のフリーは観ない」と言いました。
そうすると、彼女から「真央ちゃんの集大成なので絶対に観て下さい」と言われ、当方は思わず「はい、観ます」と答えて、帰宅後フリー演技を観ました。
オリンピックや世界選手権、グランプリファイナルといった国際大会では最終組(上位6人)で滑走するのが当たり前の真央ちゃんにとって、第2組での滑走は屈辱的だったと思いますが、その屈辱を胸に抑えての無心での滑走は実に見事なもので、最初のトリプルアクセルを決めると、その後は全ての3回転ジャンプを決めて、見事フリーでの自己ベストをマークする圧巻の演技でした。
その演技を観ていて、当方も途中から涙が止らず、真央ちゃんも演技終了後に、堰を切ったように涙を溢れさせておりました。
今回のオリンピックでは高レベルの演技で見事に金メダルを獲得した羽生選手、復活したレジェンドこと葛西選手のメダル獲得など、感動を呼ぶ場面が多かったように思いますが、真央ちゃんのフリーの演技は一番の感動ものだったと思います。
以前から、真央ちゃんはこのオリンピックを集大成にしたいと公言しており、次の韓国でのオリンピックには出ない予定のようですが、今回のフリーの演技を観る限り、まだまだメダルは狙えると思います。
今回銅メダルを獲得したイタリアのコストナー選手は、3回目のオリンピックですが、以前は転倒しないで滑走し終えることが極めて少ない選手でした。
しかし、ここ2,3年は安定した滑走ができるようになり、世界選手権、グランプリファイナルなどでも優勝したり、上位入賞者の常連となり、今回も、安定した女性らしいしなやかな演技で見事に銅メダルを手にしました。
コストナー選手は27歳ですので、仮に真央ちゃんが次の平昌オリンピックまで競技を続けると仮定したなら、今のコストナー選手と同じ歳の27歳です。
平昌オリンピックで真央ちゃんを観たいと思う反面、また4年間重圧の中で過ごすことを考えると複雑な思いです。

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2014年2月20日 木曜日

真冬の嵐再び・・

2月8日、首都圏を数十年振りの大雪が襲い、交通機関が大きく乱れ、転倒等によるけが人が数多く出たことは触れました。
それから1週間経つか経たない14日、関東地方は再度大雪の洗礼を受けることになりました。
前日の天気予報では前回の大雪の半分以下の規模と言われておりましたが、東京では前回と同じ積雪を記録し、山梨県、群馬県などでは観測史上最大の積雪を記録し、数日間陸の孤島となった地域も出た程でした。
当方は前回の大雪で欠航となった札幌行の飛行機の代替便が16日早朝に飛ぶことになっていたので、非常に気を揉みましたが、何とか空港へアクセスすることができて、代替便も定刻に飛び立つことができました。
前回の大雪より積雪量が多かったため、被害も前回のそれを大きく上回り、前回より多くの死者が出たことは慚愧に堪えません。
自動車で移動中に大雪に見舞われ、自動車を置いて帰宅する途中に亡くなられた方もいたようで、大雪に慣れていない首都圏の方は、雪との付き合い方をよくご存知ないことが改めて浮き彫りになりました。
大雪が予想される時は、自動車は超不要不急以外の場合以外は絶対に乗ってはいけません。
通常のタイヤは雪に対して全く脆弱で、僅かの雪でもスリップしたりスタック(空回り)して進むことができません。
仕事などでどうしても車を出さないとならない場合はチェーンを付ける必要があります。
ところがこのチェーンを付けるのはなかなか難しいようで、短時間で装着できる方は少ないと思います。
ガソリンスタンドなどでは有料で装着してくれますが、冬はトランクにチェーンを是非入れておくようにしてほしいものです。
なぜなら、市街地ではガソリンスタンドなどで装着できますが、市街地以外の場所で大雪に遭遇した場合で近くにガソリンスタンドがないような場合は、自分でチェーンを装着する必要があります。
もしチェーンを積んでいない場合、多くの方はヒーター(カーエアコン)を付けますが、これはガソリンの消費を早め、またずっと付けっぱなしにしていると一酸化炭素中毒になる可能性があります。
そうなったら、とにかく携帯で消防などにSOS発信をすること、近くに民家があれば恥も外聞もなく助けを求めて飛び込むことを勧めます。
命あっての物だねですので、変なプライドなど捨てなくてはなりません。
もちろん民家の方には迷惑をかけると思いますが、後でいくらでも御礼をすれば済むことです。
大雪になった場合の危機管理について、今回はじっくりと考える機会を与えてくれたと思って頂きたいものです。

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2014年2月13日 木曜日

逆転法廷

弁護士の大きな仕事の一つは裁判であることは言うまでもありません。
我が国は三審制を採用しており、事件の最後の審理をする裁判所が最高裁判所であることは小学生でも知っていると思います。
そして、おそらく国民の相当多数は、同じ形式での裁判を3回する(繰り返す)ものと思っていることでしょう。
当方も大学の法学部に進学するまでは、単純に同じ裁判を3回繰り返すものだと思っていました。
しかし、実際の三審制は全く違う形で運用されております。
詳細は民事訴訟法、刑事訴訟法など、訴訟を規律する法律に詳しく定められており、そのような法律は、正直言ってあまり面白いものではないため、一般国民に殆ど浸透しません。
今風の言い方で言うなら、「ザックリ言うと」という言い方の方がわかりやすいかもしれませんが、第一審と控訴審(第二審)は基本的には同じような裁判を行う(全く同じことをするのではありませんが)のに対し、最高裁判所の裁判は第一審、第二審の裁判とは全く様相を異にします。
どういう事かと言うと、どんな事件でも最高裁判所で審理される訳ではないということです。
最高裁判所に対する申立ては上告と言いますが、民事の場合、上告をしても殆どの事件が最高裁判所で受け付けすらしてもらえないのです。
これを上告不受理と言って、いわば門前払いです。
仮にこの関門をクリアして審理されても、最高裁判所で判断が覆ることは殆どなく、99・9%が上告棄却という形で退けられます。
当方も刑事事件では数回最高裁判所まで持ち込んだ事件がありますが、民事では審理まで進んだことがありません。
もちろん上告はしたことがありますが、その全てが不受理(門前払い)でした。
昨年第一審で判決のあった民事事件があり、それは、まさかまさかの敗訴(全面敗訴)でした。
まさか敗訴するとは全く思っていなかった(全面勝訴するとばかり思っていました)ので、当然高等裁判所に控訴しました。
控訴してから、控訴を担当する高等裁判所にそれこそ「怒りの反論書」を出しました。
先日、控訴審の第1回裁判期日(法律的には第1回口頭弁論期日と言います)があり、裁判開始の宣言と同時に裁判長から
裁判の終結が宣言され、さらに和解勧告がありました。
つまり、高等裁判所は当事者から出された書面のみを審理し、それ以外の審理はせずに話し合いで解決するように進言をしたのです。
その裁判は裁判で一番争いになる事実関係については双方で争いがなく、法律(民法)の解釈のみが争点の事件だったのですから、双方が自己の立場の正当性を法的に述べた書面があれば、後はそれを裁判所に審理してもらうだけでしたので、そのような形になったのは、ある意味で至極当然と言えば当然だったわけです。
裁判で和解勧告があった時は、法廷ではなく、裁判官、書記官が詰めている書記官室に出向いて話し合いでの解決を試みます。
その件での和解勧告の冒頭で、和解担当の裁判官から「判決を見直す方向で和解勧告をします」という宣言がありました。
要は、第一審判決は誤りがあるので取り消されることになるものの、話し合いで終結させることはできないかを双方に裁判官が提案したのです。
つまり、話し合いによる決着を試みるものの、もし話し合いで結論が出ない場合は、逆転判決が下されることになった訳です。
最高裁判所で実質審理される事件は極めて少数ですので、裁判の実質的な帰趨を決めるのは第二審なのです。
まだ話し合いで決着する余地はありますが、話し合いで解決するとしてもこちら側に非常に有利な話し合い決着になります。
今後話し合いを断続的に続けますが、話し合いで解決しない場合は逆転判決の勝訴判決をもらうことになるでしょう。
もし、そうなったなら、民事での逆転判決は本当に久し振りで、感慨深いものがあります。

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