田瀬法律事務所の日記

2014年2月13日 木曜日

逆転法廷

弁護士の大きな仕事の一つは裁判であることは言うまでもありません。
我が国は三審制を採用しており、事件の最後の審理をする裁判所が最高裁判所であることは小学生でも知っていると思います。
そして、おそらく国民の相当多数は、同じ形式での裁判を3回する(繰り返す)ものと思っていることでしょう。
当方も大学の法学部に進学するまでは、単純に同じ裁判を3回繰り返すものだと思っていました。
しかし、実際の三審制は全く違う形で運用されております。
詳細は民事訴訟法、刑事訴訟法など、訴訟を規律する法律に詳しく定められており、そのような法律は、正直言ってあまり面白いものではないため、一般国民に殆ど浸透しません。
今風の言い方で言うなら、「ザックリ言うと」という言い方の方がわかりやすいかもしれませんが、第一審と控訴審(第二審)は基本的には同じような裁判を行う(全く同じことをするのではありませんが)のに対し、最高裁判所の裁判は第一審、第二審の裁判とは全く様相を異にします。
どういう事かと言うと、どんな事件でも最高裁判所で審理される訳ではないということです。
最高裁判所に対する申立ては上告と言いますが、民事の場合、上告をしても殆どの事件が最高裁判所で受け付けすらしてもらえないのです。
これを上告不受理と言って、いわば門前払いです。
仮にこの関門をクリアして審理されても、最高裁判所で判断が覆ることは殆どなく、99・9%が上告棄却という形で退けられます。
当方も刑事事件では数回最高裁判所まで持ち込んだ事件がありますが、民事では審理まで進んだことがありません。
もちろん上告はしたことがありますが、その全てが不受理(門前払い)でした。
昨年第一審で判決のあった民事事件があり、それは、まさかまさかの敗訴(全面敗訴)でした。
まさか敗訴するとは全く思っていなかった(全面勝訴するとばかり思っていました)ので、当然高等裁判所に控訴しました。
控訴してから、控訴を担当する高等裁判所にそれこそ「怒りの反論書」を出しました。
先日、控訴審の第1回裁判期日(法律的には第1回口頭弁論期日と言います)があり、裁判開始の宣言と同時に裁判長から
裁判の終結が宣言され、さらに和解勧告がありました。
つまり、高等裁判所は当事者から出された書面のみを審理し、それ以外の審理はせずに話し合いで解決するように進言をしたのです。
その裁判は裁判で一番争いになる事実関係については双方で争いがなく、法律(民法)の解釈のみが争点の事件だったのですから、双方が自己の立場の正当性を法的に述べた書面があれば、後はそれを裁判所に審理してもらうだけでしたので、そのような形になったのは、ある意味で至極当然と言えば当然だったわけです。
裁判で和解勧告があった時は、法廷ではなく、裁判官、書記官が詰めている書記官室に出向いて話し合いでの解決を試みます。
その件での和解勧告の冒頭で、和解担当の裁判官から「判決を見直す方向で和解勧告をします」という宣言がありました。
要は、第一審判決は誤りがあるので取り消されることになるものの、話し合いで終結させることはできないかを双方に裁判官が提案したのです。
つまり、話し合いによる決着を試みるものの、もし話し合いで結論が出ない場合は、逆転判決が下されることになった訳です。
最高裁判所で実質審理される事件は極めて少数ですので、裁判の実質的な帰趨を決めるのは第二審なのです。
まだ話し合いで決着する余地はありますが、話し合いで解決するとしてもこちら側に非常に有利な話し合い決着になります。
今後話し合いを断続的に続けますが、話し合いで解決しない場合は逆転判決の勝訴判決をもらうことになるでしょう。
もし、そうなったなら、民事での逆転判決は本当に久し振りで、感慨深いものがあります。

投稿者 田瀬英敏法律事務所(恵比寿の弁護士)

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