田瀬法律事務所の日記

2013年4月 3日 水曜日

破れ傘

今日は、早朝から午前中にかけて台風並の風雨が通勤ラッシュを直撃し、学校や勤務先に大変な思いで通学、通勤されたと思います。
夕方になって天候は回復し、今現在(午後5時過ぎ)薄日も射し始めました。
当方は、事務所近くの喫茶店でコーヒーを飲んでから出勤するのが朝の習わしにようになっており、今日もいつも行くカフェでコーヒーを飲みつつ外の景色を眺めていました。
そうすると、突然強く吹きつける風で傘が逆向きになって傘の骨が瞬間的に曲がったり折れたりするなどで、傘としての機能が全くなくなってしまい大変困った表情になる人を何人か見ました。
その人たちは、ほぼ全員、使い物にならなくなった傘(破れ傘)をその場に捨てて小走りに走って行きました。
その光景を見ていて、当方は以前見た新聞のコラムを思い出しました。
どのくらい前にその新聞のコラムを見たのかは記憶に定かではありませんが、10年くらい前だったような気がします。
それは次のような内容のコラムでした。

1 ある街で使い物にならなくなって放置された破れ傘が強風で飛ばされてミニバイクに乗っていた女性を直撃し、直撃を受けた女性はハンドルから手を離したため、ミニバイクごと転倒し、運悪くそこにトラックがぶつかって女性は亡くなった。
2 もし、破れ傘を持っていた人がその場に放置しなければ、風に煽られた破れ傘が女性を直撃しなかったはずで、そうであればトラックとの交通事故も起こりえなかったはずであり、亡くなった女性と加害者になってしまったトラックの運転者はまさに運が悪かったとしか言いようがない。
 しかし、破れ傘を放置した人が誰であるか見つけることは極めて困難であり、仮にわかった場合でも法的に責任を追及することは相当難しい。
3 強風で持っていた傘が破れ傘になることはよくあることで、もし、そのような場面に遭遇した場合であっても、破れ傘をその場に放置することは大変危険なことで、風に煽られた破れ傘が凶器となって、大きな事故を引き起こす危険性は高い。
 そうであれば、傘が一瞬で破れ傘になってしまった場合、少なくともその場に放置することはせず、更なる強風が吹いてもどこかに飛んでいかないような場所に捨てるようなマナーを持つべきではないだろうか。

当方は、このコラムに痛く感銘し、それから何回か破れ傘の経験をした場合はその場に放置せず、適当な捨て場所に捨てるようにしております。
もし、仮に、破れ傘を放置して、その傘が凶器となって、前述したような事故が起き、放置者に重い民事、刑事の責任が発生することを肯定する裁判例が多く出されるようになれば、難しい表現ですが、それは判例による事実上の立法化ということが言えるかもしれません。
破れ傘の放置は、それで事故が起きた場合には大変な責任が発生するということが社会の暗黙のルールになるには、個々の国民の常識に期待するより、裁判例の積み重ねによって黙示のルールを作ることも時には必要なのかもしれません。

投稿者 田瀬英敏法律事務所(恵比寿の弁護士)

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