田瀬法律事務所の日記

2013年3月 5日 火曜日

住みたい人気NO1の街での惨劇

先月末に、賃貸情報誌で「一番住んでみたい街」である吉祥寺で、日付がかわった未明の時間帯に、22歳の若い女性が、強盗目的の少年2名に刃物で刺し殺されて、バッグなどを奪われるという残忍極まりない事件が起きました。
事件後間もなくルーマニア国籍の17歳の少年が警察に身柄を拘束され(その後強盗殺人罪で逮捕)、事件発生から70時間近くが経った後、共犯である18歳の日本人少年が友人に付き添われて警察に出頭して、同じく強盗殺人罪で逮捕されました。
新聞、テレビ等で報道されていること以外の事実は知りませんが、少年達は遊ぶ金を奪い取る目的で、弱そうな女性に目をつけて、
有無も言わさず背後からいきなり刃物を突き立てて殺害するなど、非常に強い殺意を感じます。
このような極めて悪質な犯行が、10代の少年によって引き起こされたことに戦慄を覚えざるを得ません。
最初に逮捕されたルーマニア人少年は、その後の報道を見る限り、不法入国者ではなく、親と住んでいたようです。
新聞報道では、少年はルーマニア国内で生まれた後、ルーマニア人の両親が離婚し、その後母親が来日して日本人男性と結婚後に日本に呼び寄せられたようで、当初は日本の高校に通っていたものの、母国との環境の違いで精神的に不安定となって退学し、その後は家に寄りつかなくなった挙句、悪い仲間と連むようになって、結果的に、極めて罪が重い今回の犯行に至ったようですが、少年に同情の余地はゼロとは言えませんが、基本的にはないでしょう。
このように、少年が、成人が犯した場合は死刑か無期懲役が予想される重罪(強盗殺人罪)に手を染めた場合、その後の処遇はどうなるのでしょうか。
まず、少年達は家庭裁判所に送られ、様々な角度から調査が行われ、その後、少年院送致や保護観察などという「保護処分」を受けますが、今回の少年達のように、成人が犯した場合に死刑或いは無期懲役などの重刑が予想される犯罪を犯した場合は、「逆送」あるいは「検送」と呼ばれ、検察官に事件を担当させる方式の処分が家庭裁判所から言い渡されることになります。
そうなると、後は成人の場合と同じような裁判で裁かれますが、言い渡される刑は、成人と異なる方式での言い渡しがなされます。
まず、犯行時に18歳未満の場合には死刑が課されないと少年法で定められているため、ルーマニア人少年の死刑は法律上あり得ません。
成人があのような事件を起こした場合、死刑判決もないとは言えないが、通常は無期懲役になるのが通例です。
しかし、少年に無期懲役を言い渡す場合は「5年以上10年以下]という、いわゆる不定期刑を言い渡すことになるのです。
それでは、5年以上10年以下の不定期刑が言い渡された場合は、刑期はどうなるのでしょう。
少年は成人と比較して未成熟であるため、犯行時後の更生の期待は成人より大きく、そのため、収容施設(不定期刑の言い渡しを受けた少年は、刑務所ではなく少年刑務所という施設に収容されます)での更生の様子を見て、更生する可能性が非常に大きいと判断された場合は5年以上経過して間もなく出所することになります。
これが法律の建前ですが、実際には短期の刑に近い収容期間が経過すると、極端にねじ曲った性格が全く改善されないなどの特殊事情がない限り、出所される運用がなされているようです。
本件の犯行を行った2人の少年ですが、おそらく5年以上10年以下の不定期刑の言い渡しを受ける可能性が高いと思いますが、
ルーマニア国籍の少年の場合は、上限の10年に近い期間、少年刑務所に収容される可能性があると思います。
当方も中国、韓国といったアジア人以外のヨーロッパ人の少年が凶悪犯罪を犯した例は寡聞にして聞きません。
それが、住んでみたい人気の街で起きてしまったことに、不気味な言いしれぬ恐ろしさを感じざるを得ません。

投稿者 田瀬英敏法律事務所(恵比寿の弁護士)

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