田瀬法律事務所の日記

2012年11月15日 木曜日

裁判官の不祥事@恵比寿の弁護士のブログ

「司法改革」の名の下に司法試験合格者が大幅に増え、そのせいかどうかは十分な検証ができておりませんが、最近は比較的若年の弁護士が資格にかかわるような不祥事を犯すケースがよく報じられています。
本日、インターネットで、今年の8月下旬に電車内で盗撮をして逮捕された裁判官が弾劾裁判所から訴追されることになったというニュース記事を目にしました。
裁判官は、憲法でその地位が極めて強く保証されており、不祥事を犯してもすぐには処分を受けません。
不祥事を犯した裁判官が自ら辞表を出し、最高裁判所が辞表を受理すれば失職しますが、裁判官が不祥事を犯した場合、最高裁判所は辞表を受理せず、国会に設置された弾劾裁判所に送付する手続を取ります。
そして弾劾裁判所が、不祥事を犯した裁判官が罷免に相当するかどうの審議を行い、弾劾裁判所で罷免が相当であるという結論が出されると、その裁判官は「罷免」され、その結果、裁判官としての地位を失って、失職するのです。
これまでに弾劾裁判所で弾劾され、罷免された裁判官の多くは中年(40代から50代)で、理由は様々ですが、ここ最近の2例はいずれも裁判官としての資質を疑う理由で罷免されております。
1件は高等裁判所の裁判官が未成年の女子を買春したとして、2件目は地方裁判所の裁判官が、部下の女性職員に対するストーカー的なセクハラ行為をしたとして弾劾されて、共に罷免されております。
そして、今回弾劾裁判所から訴追されることになった大阪地裁の裁判官は平成22年12月の任官ということですので、任官して1年8ヶ月くらいで不祥事を犯し、自らの裁判官生命を風前の灯火にする結果を招いたようです。
おそらく、犯罪事実自体に争いはなく、その裁判官は盗撮の罪で略式起訴され、罰金50万円を納付しているので、これまでの例から考えると、99.9%罷免されることになると思います。
では、裁判官が仮に罷免された場合、その後の人生はどうなるのでしょうか?
まず弁護士登録することが考えられますが、これも相当厳しいと言わざるを得ません。
弁護士が弁護士として業務を行うには、弁護士が事務所を置く場所にある弁護士会に所属しなくてはなりません。
東京は3つの弁護士会があり、各都道府県にもそれぞれの弁護士会があります(但し北海道は4つの弁護士会があります)。
そして、弁護士会に入会しようという場合は、弁護士会の内部審査があります。
但し、過去に不祥事等がなければ、審査は形式的なもので、入会するのにそれほど問題はありません。
当方も、今所属している第二東京弁護士会に新規登録の際に審査を受けましたが、それは、書類だけの形式的な審査で、問題なく入会を許可されました。
しかし、裁判官、検察官だった者が不祥事を起こして失職し、弁護士会に入会を希望してもまず拒否されます。
また、ある弁護士会で不祥事を犯して弁護士資格を失った者が、一定期間後に別の弁護士会に入会を希望しても拒否されるケースが多いと聞きます。
前者については、弁護士会がある意味で法曹失格者の受け皿になるのは堪らないという思いがあるからです。
但し、例外的に入会が許可される場合があります。
過去に不祥事を犯し、裁判官を罷免された地方裁判所の裁判官は、その後勉学に勤しみ、さらに裁判官としての経験を元にして、様々な法律関係の論文を発表しました。
そのことが、過去の不祥事を反省し、社会のために尽力していると評価され、その裁判官は弁護士会への入会を許可されました。
今回、多分罷免になるであろう裁判官は、まだ20代後半です。
たった一瞬の過ちでせっかく手にした法曹の地位を手放す可能性が高く、今回のことは非常に高くついたと思いますが、先輩法曹としては、法曹復帰を目指して、再度勉学に勤しんで欲しいと思います。

投稿者 田瀬英敏法律事務所(恵比寿の弁護士)

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